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2005年01月01日

東京23区・商店街歩行見聞録(仮) その007 おやつコロッケ

その007 おやつコロッケ (2005年10月19日歩行)

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 今日は、商店街歩きをしていなかったら一生歩かないであろう地域をわざと選んで歩く。そういう場所こそ、この機会に時間とお金をかけて行くべきところなのだ。

 都営地下鉄とバスを乗り継いで、江戸川区の大杉というところへやってきた。本来の大杉という集落は一之江寄りにあったらしいが、いまはかなり広い範囲がこの町名で呼ばれている。その中で、商店街は高度成長期にやっと人が住み着き出した地区にある。土地もほぼ平らで、僕のような余所者には「商店街がどうしてその位置になったのか」の根拠は見出しにくい。

 昨日歩いたあたりもそうだったが、昭和四十年代ごろ発達した商店街は建物が当時のままであるものが多い。もちろんお金があれば建て替えてしまうのだろうが、商店街が衰退してしまえば、他に収入のアテがある場合を除き、新築するほど儲けるのは難しい。銭湯のように土地が広ければそこにマンションを建て、もし続けたければ一部を店にすればいいのかもしれないが、小さな店ではどうしようもない。辞めるか売るかだ。貸し店舗にしても、住居付き・ローン無しでようやく成立していた店舗など、なかなか借り手もいないだろう。

 大杉とその北の松本に続くふたつの商店街も、ある意味では昭和のままの、悪く言えば今の時代ではもはやどうしようもない、そんなどんよりした雰囲気の漂う場所になってしまっていた。ふたつの商店街は連続しているが、街灯が新しいかどうかくらいの差しかないように見える。周囲にもぽつぽつと店舗があるが、いま現在どれほど需要があるものなのか。

 南側には区画に逆らうようなうねうねとした道路があり、これが川跡かと思ったが、実はこっちが古くからの道路らしい。鹿骨街道のまっすぐな道ができる前はこちらが主要道路だったと見られる。しかしその当時には道沿いに目立つ集落はなかったようだから、どちらにせよ商店街の成り立ちとはあまり関係がなさそうだ。

 そのあと東のほうへバスへ出て、総武本線平井駅周辺を歩いた。この平井は、都区内としては実に地味なJR駅のひとつだ。二十三区内のJRの駅はどこもそれなりの知名度があるが、「平井駅」と言われてパッとわかる人は少ないのではないかと思う。当然、僕も今回初めて駅前を歩く。

 駅の北も南も商店街があるのだが、賑わいのある範囲はあまり広くない。しかし過去にはかなり広範囲に商業地として使われた形跡がある。南側はもともと湿地だったところにできた昭和期からの街で、それ以前の集落は駅の北の旧道にだけあった。そしてここも、川跡のようにうねった道路が実は旧道だ。それとは関係なしに、昭和になって商店街とそれに付随する脇通りの店舗群が形成され、そしてほどなくして衰退したのだろう。どこを見渡しても庶民的な感じがするのも、街の成立年代の差分があまりないからだろうか。

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 最後に、商店会はないようなのだが、駅からずっと北の、平井七丁目の住宅地内にある商店群を歩きに行った。店の軒数は少ないのだが、古風で庶民的なもんじゃ焼き店があるのを見つけた。そしてその近くには揚げ物を売る精肉店があった。今日のコロッケはここで買うことにしよう。男性の店主にメンチとコロッケをひとつずつお願いすると、「ソースかけますか」と聞かれた。そう、ここでは「おやつコロッケ文化」が生き残っているのだ。


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posted by 志歌寿ケイト(しかすけ) at 13:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | 商店街歩行見聞録 | 更新情報をチェックする
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7丁目の写真を見て懐かしさのあまりついコメントしてしまいました。
(ちなみに、私の記憶には無いので、そのもんじゃ屋さんそこまで古くないと思われます(^^;)そのもんじゃ屋さんの写真の右側のBOSSの自販機のところは昔スーパーマーケットでした)
なんでこのようなことを申しますかというと・・・。
この写真を撮る時に、立っていらっしゃるまさにその場所は、僕の母親の元実家です。(おそらく背中側は白っぽいおうちが建ってたと思います)当時、その場所で、私のお爺さん家族が八百屋をやってました。もう20数年前に売って千葉のほうに引越ししましたが・・・。私(現在43歳)が幼少の頃泊りに行ってたところです。昔を思い出させていただきありがとうございました。
Posted by 浅野光則 at 2015年11月28日 18:05
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